紙なのに、どうして使えるの?|お金のはじまり 第5話
序章|第5話・約2分
たけちゃんは、白い紙と千円札を見比べています。どちらも軽くて、財布に入ります。でも、パン屋さんで使えるのは片方だけです。
たけちゃん「お札も紙だよね。どうして、こっちならパンを買えるの?」
パパ「パン屋さんも、そのお札を小麦粉の代金や、ほかの支払いに使えるからだね。」
たけちゃん「白い紙だと、次のお店で使えないもんね。」
千円札が受け取られるのは、紙そのものが千円分の材料だからではありません。受け取った人も、千円として次の支払いに使えると見込めるからです。
この「これなら使える」という信用が、人から人へつながっています。
信用は、気持ちだけでは続かない
たけちゃん「じゃあ、みんなが信じていれば、それでいいの?」
パパ「でも、偽物がたくさん混ざっていたら? 受け取る前に、本物かなって心配になるよね。」
だから、安心して使えるようにする仕組みがあります。日本のお札を発行するのは、日本銀行です。お札には偽造を難しくする工夫があり、日本銀行に戻ったお札も、本物か、傷んでいないかを調べています。
もうひとつ大事なのが、お金で買えるものが、急に大きく変わらないことです。
パパ「今日まで千円で買えたパンが、明日は一万円になったら、困るよね。」
たけちゃん「明日のパン代を残しておいたのに、足りなくなる!」
そんなふうに物の値段が急激に動くと、お金を取っておくのも、買い物の予定を立てるのも難しくなります。日本銀行は、物価を安定させるための政策も行っています。
ただし、これは「値段が変わらない保証」ではありません。同じ千円でも、買える量は変わることがあります。
最初の疑問に戻ってみよう
たけちゃん「パン屋さんは、紙が欲しくて受け取ってるんじゃないんだね。」
パパ「そう。その先の買い物にも使える。そこを信用して受け取っているんだ。」
今回の気づき
お札の価値を支えているのは、紙の材料ではなく「次の支払いにも使える」という信用。その信用を続かせるために、偽札を防ぎ、お金の価値を安定させようとする仕組みがある。
お札を見るとき、今度は絵柄だけでなく、その先で受け取る人を想像してみてください。一枚の紙が、いろいろな人の買い物をつないでいます。
会話は説明のために構成しています。今回は、現在の日本のお札を例にしています。
参考:日本銀行 「おしえて!日本銀行」/「お札の発行と管理」