お金がなかったら、どうする?|お金のはじまり 第1話
序章|第1話・約2分
パン屋さんの帰り道。たけちゃんは、パパが渡した千円札のことを考えていました。
たけちゃん「パンは食べられるけど、お札は食べられないよね。なんで交換してくれるの?」
パパ「たしかに。じゃあ、お札も小銭もないとしたら、どうやってパンを手に入れようか?」
二人は、昔の暮らしを思い浮かべながら考えてみることにしました。たけちゃんはりんごを育てる人。パパはパンを焼く人です。
たけちゃん「りんごをあげるから、パンをちょうだい。」
パパ「いいね。ちょうど食べたかったんだ。」
これなら、お金がなくても交換できました。物と物を直接交換することを「物々交換」といいます。
ところが、次の日。
パパ「今日はりんごがまだ残ってるんだ。卵なら欲しいけど。」
たけちゃん「じゃあ、りんごを3個にする。」
パパ「増えても、食べきれないなあ。」
たけちゃんは、自分のかごを見ました。りんごはたくさんあるのに、パンと交換できません。
自分が相手のものを欲しくても、相手が自分のものを欲しいとは限らない。直接交換するときには、こんな困りごとがあるのです。
たけちゃん「卵を持ってる人が、りんごを欲しがってたら? 先に卵に替えてくる!」
パパ「それなら、パンと交換できるね。」
でも、卵を持っている人はどこにいるのでしょう。その人もりんごはいらないと言ったら、また別の人を探さなければなりません。
パンをひとつ手に入れるのに、ずいぶん遠回りです。
お金がないと、何に困る?
物々交換はできる。でも、お互いに「それが欲しい」と思える相手を見つける必要がある。
もし、自分では使わなくても「これなら次の人も受け取ってくれる」と思えるものがあったら。たけちゃんの寄り道は、少し減るかもしれません。
これは交換の仕組みを考えるための想像のお話です。昔の人がみな物々交換だけで暮らしていた、という意味ではありません。