新NISA戦略:VYMはETFと投資信託のどちらがお得か?

新しいNISA制度を活用して資産運用を考える際、投資家が直面する大きな選択は「ETF(上場投資信託)」と「投資信託」のどちらに投資するかです。この選択は、長期的な資産運用戦略に大きな影響を与える可能性があります。そこで、この記事ではETFである「VYM」と、そのVYMを元にした投資信託「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」を比較し、どちらが投資家にとってより有利な選択肢なのかを検証します。

基本情報

VYM ETFとSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドは、信託報酬や分配金の取り扱いにおいて異なる特徴を持っています。

分類ETF投資信託
商品名VYMSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド
信託報酬0.06%0.1238%
分配金年4回なし(再投資)

自動再投資の重要性

新NISA制度を利用する際の選択において、自動再投資の有無が重要な役割を果たします。ETFの場合、利益の一部が分配金として支払われますが、これを受け取って再投資する必要があります。一方、投資信託では分配金の支払いがなく、その金額が自動的に再投資されます。

この違いが、特にNISAの非課税枠を利用する場合、大きな差となります。例えば、VYM(ETF)とSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(投資信託)の両方に100万円投資した場合、ETFは分配金を受け取る形になりますが、投資信託は再投資が非課税枠内で行われるため、非課税枠の消費が抑えられます。

メリット・デメリットの比較

次に、ETFと投資信託のメリット・デメリットを比較します。

分類ETF投資信託
メリット・信託報酬が低い(投資信託との比較)
・リアルタイム売買ができる
・運用効率が高い(自動再投資)
デメリット・運用効率が低い(手動再投資)・報酬信託が高い(ETFとの比較)
・リアルタイム売買ができない

ETFと投資信託の運用結果の試算

投資信託とETFの具体的な運用結果を比較するために、いくつかの前提条件を設定し、試算を行います。ここでは計算を単純化するために、年間リターン率を7%とし、そのうち配当のリターンを3%と仮定しています。そのため、株価上昇によるリターンは単純に4%としています。これは計算を簡略化するための方法であり、実際の市場状況や投資の成果とは異なる可能性があるため、これらの数値は参考程度に考えてください。

条件設定

  • 年間リターン率:7%(過去平均から仮定)
  • 配当のリターン:3%(過去平均)
  • 株価上昇によるリターン:4%
  • 運用期間:20年
VYM – ETFSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド – 投資信託
年数投資額
(万円)
残高
(万円)
リターン率評価額
(万円)
配当率分配金
(万円)
運用結果
(万円)
投資額
(万円)
残高
(万円)
リターン率運用結果(万円)差額
1年2402404%2503%72572402407%2570
2年2404904%5093%155242404977%5328
3年2407494%7793%228022407727%82624
4年2401,0194%1,0603%311,0902401,0667%1,14050
5年2401,3004%1,3523%391,3912401,3807%1,47786
6年1,3524%1,4063%411,4471,4777%1,580134
7年1,4064%1,4623%421,5041,5807%1,691186
8年1,4624%1,5213%441,5651,6917%1,809245
9年1,5214%1,5823%461,6271,8097%1,936309
10年1,5824%1,6453%471,6921,9367%2,071379
11年1,6454%1,7113%491,7602,0717%2,216456
12年1,7114%1,7793%511,8302,2167%2,371541
13年1,7794%1,8503%531,9042,3717%2,537634
14年1,8504%1,9243%561,9802,5377%2,715735
15年1,9244%2,0013%582,0592,7157%2,905846
16年2,0014%2,0813%602,1412,9057%3,108967
17年2,0814%2,1643%622,2273,1087%3,3261,099
18年2,1644%2,2513%652,3163,3267%3,5591,243
19年2,2514%2,3413%682,4093,5597%3,8081,399
20年2,3414%2,4353%702,5053,8087%4,0751,570

運用結果抜粋

運用結果を比較すると、特に長期運用において、投資信託の方が有利な結果となることがわかります。具体的な数値は以下の通りです。

年数ETF – 運用結果(万円)投資信託 – 運用結果(万円)差額(万円)
5年1,4661,47711
15年2,6022,905303
20年3,3614,075714

この試算は、投資の複雑さを減らし、読者に基本的な運用結果の違いを理解してもらうために簡略化されたものです。実際の投資運用結果は市場の変動やその他の要因によって異なるため、これらの数字はあくまで一例として捉えてください。

結論/まとめ

新NISA制度を利用する際、VYMのETFと投資信託を比較した場合、投資信託の方が長期的にはより高い運用効率を発揮することが分かりました。特に自動再投資の機能は、非課税枠を有効に活用し、より多くの利益を生み出すために重要です。

投資家としては、自分の投資戦略や目的に応じて、ETFと投資信託のどちらを選択するかを検討することが重要です。この記事が、より良い投資選択を行うための一助となれば幸いです。